2018年4月8日日曜日

観測隊/南極ごはん


 今月誕生日だったので、誕生日会の罰ゲームでローションをぶちまけられネトネトになりました

 な……何を言ってるのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった……。
 頭がどうにかなりそうだった……。
 南極事業だとか誕生日会だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……。

 というわけで誕生日会罰ゲームでしたが、本当の誕生日まではちょっとだけ日があるのでまだギリギリ二十代です。ギリ。あと数日は。ギリ。まだいける。



 あと桜に短冊が吊されていたのですが、なんか違う儀式と勘違いしていませんか(何割かこのブログの存続を揺るがしそうな短冊があったため切り取っています)。

 さて、今回の誕生日会は兼花見で、ラーメン、寿司、唐揚げ、おでん、その他つまみなどが出てきて舌鼓を打ったので、本記事では南極行動中の食事について書こうかと思います。

 南極地域観測隊で得ることが可能な食事を大きく分けると、以下のようになります。


  • 砕氷船しらせ
    • しらせでの食事
    • 個人持ち込み・免税品
    • 自販機
  • 昭和基地夏期間
    • 一夏での食事
    • 中間食
    • 野外糧食
  • 昭和基地越冬期間期間
    • 管理棟での食事
    • DEV倉庫
    • 喫茶・バー


砕氷船しらせ

-しらせの食事


 砕氷船しらせでの朝・昼・夕の食事はしらせ乗船の海上自衛隊員が調理したものが基本となります。海上自衛隊の領域は観測隊とは別なので、具体的にどのような管理になっているかはわかりませんが、調理専門の自衛隊員がいるというよりは、持ち回りで調理の当番があるようです。

 自衛隊の食事といえば糧食レーションですが、基本的に配給される食事は普通の食事です。ただし以下のような特殊な規則性もあります。
  • 水曜日 - 朝にパン
  • 金曜日 - カレー
  • 九のつく日 - 肉が出る
海上自衛隊といえば金曜日にカレーは有名かと思います。曜日感覚をなくさないようにするための慣習と聞いた覚えもありますが、昨日何食べたか思い出せないのにカレー食べたくらいでは余裕で曜日くらい忘れます。

 水曜日のパン食と九のつく日に肉は何が由来なのかわかりませんが、もしかすると海上自衛隊ではなくしらせ特有の文化かもしれません。


 餅つきやクリスマス、正月といったイベント時などはそれに合わせておせちなどの季節感ある食事も振る舞われます。また、地方の伝統料理が出てくる場合もあり、その際は艦内放送でその説明がなされたりもします。



-個人持ち込み・免税品


 食料品や飲料の個人持ち込みは可能で、おやつや酒、そのつまみとして飲食可能です。ただし観測隊はオーストラリア経由でしらせに乗船しますが、オーストラリアは食料品の持ち込みが非常に厳しいため、空路での食料持ち込みは基本的にできないと思った方が良いでしょう。オーストラリアに到着してからの購入も可能です。フリーマントルではリトルクリーチャーというビールが有名。


 また、国立極地研究所経由で免税品をあらかじめ購入しておくこともできます。免税品として購入できる物品の種類は主に酒・ソフトドリンク・菓子・カップ麺といったところです。これらの品々は全体にするとあまりに大量なので、全員の作業で配分されます。



-自販機


 しらせには自販機があり、日本円にて購入が可能です。ラインナップは飲料のみで、サービスエリアにあるような食物の自販機はありません。ちなみに賞味期限はわりと怪しいです。





昭和基地夏期間

-一夏での食事


 12月終わりのしらせ昭和基地到着から1月末までの夏期間の間、しらせで新たにやってきた隊は第一夏宿舎(一夏)で食事をとります。このときの食事は砕氷船しらせの食事と基本的に同じで、観測隊の調理担当ではなく、支援に来ている自衛隊員が調理を行います。材料はしらせから持ち込んでいるものなので、しらせ滞在時と大きくは変わりません。

-中間食


 夏期間の作業が開始されるようになると導入されるのが「中間食」という概念です。簡単に言い換えればおやつですが、いわゆるおやつと違うのは15時だけではなく、10時ごろにもとるということです。

 内容は菓子パンと缶飲料などで、まさしくおやつと呼ぶに相応しいものですが、夏期間の間は設営(建設や建築)作業に追われる日々が続くため、肉体疲労を癒してくれる中間食は非常に重要です。

-野外糧食


 夏にのみ限らないのですが、仕事によっては昭和基地に着いてからは基地外で活動する機会があります。南極にはコンビニが(たぶん)なく、食べられる作物は生えておらず、基本的に狩猟もできないため、野外に出るなら食料を持っていく必要があります。


 ドームふじなどの長距離に旅行する場合はまた別ですが、通常の夏期間の旅行の場合は、昭和基地到着前の糧食配布日にあらかじめ配られた糧食をやりくりしていくことになります。数日ならともかく、数週間の行程ともなるとその食料はダンボールで数十個となり、運搬するだけでも大変です


 冷蔵・冷凍品も配布されますが、そのような品物は船内の冷蔵庫に入れておいて複数回に分けて運搬するか、雪の中に埋めておいて保存する必要があります。




昭和基地越冬期間


-管理棟での食事


 夏隊が帰還し、越冬隊だけが昭和基地に残されたあと、隊員たちは管理棟という総合施設に入居することになり、食事もそこでとるようになります。管理棟二階の食堂でとる朝昼夕の食事は観測隊調理担当が作るもので、比較するものでもありませんが、夏時期に比べると豪華でバリエーション豊かな食卓となります。


 またしらせ乗船時や夏時期は食事中に酒を飲むことができませんでした(制限されているというよりは、単に食事に出されない)が、越冬期間に入ってからは食堂の冷蔵庫に入っている酒を自由に飲むことができます。酒類およびソフトドリンクは倉庫棟大型冷蔵庫に保管されていて、毎日の当直が倉庫棟冷蔵庫から食堂冷蔵庫へと運びこみます。


-DEV倉庫


 欲に魅せられし闇の眷属たちの餌場——それがDEVデヴ倉庫です。


 DEV倉庫には菓子類やカップ麺の類が収められており、「冬来たる。寒さには脂肪を」を標語に掲げる一族が徘徊しています。調理担当によって管理されていて、開封されているダンボールの中のものは自由に取って良いことになっています。だいたい二、三週間程度の周期で新たなダンボールが開封されるようです。


 一度に開けられるダンボールは十箱程度ですが、その内容物は三日と経たずに九割以上が「彼ら」の胃袋の中に収まってしまうことがこれまでの観測で確認されています。ただし都こんぶなど、一部減りが早いものもあるようです。


-喫茶・バー


 生活係の喫茶係ではコーヒー、紅茶のほかに菓子を作り、提供しています。たとえば今週の喫茶では抹茶チョコパウンドケーキを作りました。作成する菓子の材料は調理から提供してもらい、支援のもとでの作成です。


 また、バーではビール、ワイン、日本酒、焼酎、ウィスキーなど種々様々な酒類とともに酒の肴となるつまみを作成して提供しています。




 

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Maira Gall