2018年4月6日金曜日

隊員/多目的アンテナ越冬隊員の場合


 この[隊員]ページ第59次南極地域観測隊の隊員のうち一部に個人的にインタビューをし、纏めたものです。個人の詳細については深く立ち入らず、内容は、

  • 南極での仕事 :何をするために南極に来たか
  • 南極に来た経緯:どうすれば南極に来られるか

に集約されています。


南極での仕事


 多目的アンテナの担当だが、現在は実質「単目的」アンテナで、Very Long Baseline Interferometer(VLBI; 超長基線電波干渉法)観測。VLBI観測は国際観測で他の観測地点と同時に超長距離の星から発せられる電波を観測し、各観測地点の位置の変化を測定する。昭和基地は南極での数少ない観測地点。

 また、本来の仕事とは関係ないが、通信や気水圏無人飛行機観測の手伝いも行う。ちなみに無人飛行機には特に必要ないが、飛行機免許を持っている。


南極に来た経緯


 多目的アンテナは毎年、勤めている会社から隊員を排出しており、社内公募。社内公募後の選定については詳しいことは話しにくい。

 社内公募は社内の人間なら誰でも応募できるものだが、無線の資格などが必要であった。今回は58次や60次と同時に採用されたため、2015年2月ごろに公募され、5月に決定された。

南極の感想


 寒い。






管理人より


 ここから越冬隊員の紹介です。全員紹介できたら良いなぁ。

 最初の紹介は多目的アンテナ隊員です。昔は「多」目的だったそうですが、現在はほぼ「単」目的アンテナ。昭和基地の東のほうに巨人用の黒いサッカーボールのようなものがあるのですが、それがアンテナのレドーム(覆い)です。
 現在唯一のアンテナの仕事であるVLBI観測は、本文中でも説明があるように、非常に遠くにある星から発せられる電波を地球のさまざまな地点でほぼ同時に受信することで、各観測地点の位置の変化を観測するミッションです。「ハワイは日本に徐々に近づいている」だなんて話を聞いたことがある読者の方もいらっしゃるかもしれませんが、そうしたことがわかるのもVLBI観測の恩恵です。詳しい説明については国土地理院のページで解説されているので、そちらをご覧ください。
→VLBIとは|国土地理院(http://www.gsi.go.jp/uchusokuchi/vlbi-about.html)

 この方は多目的アンテナとは無関係に通信業務などにも出張しているのですが、気水圏(大気などの観測系)の無人飛行機の観測も手伝ってもらっています。管理人が気水圏担当の研究員なのでお世話になっており、越冬隊員トップバッターなのはそういう理由だったりします。ありがたやありがたや。操縦も通信系統もやってもらっており、この方がいないともう飛ばせない有様です。

 本文中にもあるとおり、飛行機免許持ちとかいうわりと意味わからねぇスペックです。大学の頃にカナダで取ったそうで、国際民間航空機関(ICAO)という国際協定に入っている国なら、国土交通省に申請して免許書き換えをすればその国で飛行機を飛ばせるとのこと。
 なぜ飛行機免許を取得したのか訊いてみましたが、返答は「かっこいいから」でした。

 それと、この方もブログをやっています。最近よりもい関係の記事を書いて大量に訪問者が増えたとのことなので便乗して宣伝しておきます。

→第59次南極地域観測隊 越冬隊員の記録(http://jare59.starfree.jp/index.htm)


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Maira Gall